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2004年9月15日 (水)

2004年9月11~12日 甲斐駒ヶ岳

Gps2004091112 ダイグラ尾根、早月尾根と来たので、黒戸尾根を登ることにした。金曜日の22:00前、白州蒸留所近くへ着いた。

9月11日
 05:20尾白川渓谷駐車場(770)、薄明るくなっている。尾白川左岸沿いを下り気味に歩く。駒ヶ岳神社の境内を通り、吊り橋を渡り、斜面に取り付 く。登路には細かくカーブがつけられ、斜度が和らげられている。05:43尾白川渓谷との分岐(880)を過ぎても急登にならず、拍子抜けする。細かく カーブがつけられた道を、地形図の登路より東寄りに登る。標高950mからトラバースが始まるが、尾根に合わさると、また細かくカーブを描く登りになる。 07:08~07:16粥餅石分岐跡(1440)。粥餅石を通る道は廃道になっており、左手の尾根道を行く。1500m付近から斜上する感じになり、 1628ピークを巻く途中で粥餅石から来る廃道と合わさる(1560)。斜上して07:49鞍部(1600)に出ると、木の根方に仏像と駒ヶ岳黒小龍神の 石碑があった。また、この付近で松茸の香りがした。
 この先、前屏風の頭(1881)までは北を巻きながら斜上するが、自分は地形図を見て、尾根通しの道と思っていた。そのため08:49斜度が緩みカラマ ツ林を歩いているとき1881mピークと思ってマークしている(1900)。弱い雨が降りだしたが、木々に遮られ雨具を着る程ではない。09:00ガスの 漂うカラマツ林の中、緑色の苔の道を歩く(1940)。ここまでの黒戸尾根は、緩く歩きやすいという印象だった。
 樹林帯を抜けると、9:08行く手の痩せ尾根に鎖が張られており、刃渡りに出た(1960)。刃渡りは難所の前触れで、それ自体は簡単だが、この後、登 路は厳しくなった。痩せ尾根が少し続いた後、一旦尾根は太くなり樹林帯に入った。2049mピークの北を巻いて、刀利天狗の登りに入ると梯子が出始めた。 これは読んでいる人が想像するよりも、長い梯子で、それが連続する。登りは新鮮に感じるが下りでは神経を使う。09:38~09:54刀利天狗の祠で鱒鮨 を食べる(2060)。
 黒戸山の巻きは、緑色の苔とカラマツの登路だ。カラマツの枝に垂れる若草色の苔が、ガスに映え美しい。なだらかに降りていき10:37五丈小屋 (2150)。扉が壊れ柱も傾いている。七丈小屋で聞いたが、小さな避難小屋の方向で来年作り直す計画らしい。緩やかに少し降り10:43屏風小屋跡 (2130)。岩の前に祠があり、その前に廃材が積まれている。その右脇の長いはしごから屏風岩の登りが始まる。ここもはしごが連続する。梯子が一段落 し、2262mピークのカラマツ林を緩やかに降りていく。これで七丈小屋だと思っている。するとカラマツ林越しに鞍部にかかる橋と梯子が見えた。そういえ ば七丈小屋の前にもう一つピークがあった。そしてまた梯子の連続だ。これらの梯子の近くには石碑や祠が多い。そのときは信仰の篤い登路だと思ったが、今考 えると、山駆けに来て、死んだ人を祀ったものだろう。危ないところ程、数が多く、殆どが聞き慣れない名前だからだ。また、地形図で五丈小屋と七丈小屋の近 さを不思議に思っていたが、難しいから近いと納得した。登り切って11:41~12:10七丈小屋(2360)。宿泊受付をし、鱒鮨を食べ、荷物をデポし た。夕食付きで6000円だった。
 小屋の前の流しで水を補給し、歩き出す。どうせガスだろうが、もし展望が見えたら、明日七丈から下れる。七丈小屋と八合目との間は梯子は2カ所しかなく 歩きやすかった。また祠も三宝荒神が一つあるだけだった。開けたところに出て、登路を選ぶのに注意するようになると程なく13:09~13:17八合目御 来迎場(2670)。鳥居が倒れており、ガスで視界はなかった。緩く歩き出し、ダケカンバが目立つようになる頃、花崗岩に足形が刻まれ、鎖が1本下がって いる。(ここから、剣が二本立つ岩(九合目)までが、黒戸尾根で最もきつい。刀利天狗、屏風岩、七丈小屋前の登りのように梯子が連続するところではない が、梯子がない故の難しさ、登路の持つ生の厳しさが出てくる。)そこを登ると短めの鎖が一本下がっている。よじ登り右へ回る。石が覆い被さっているので、 窮屈な姿勢になる。少し平らに歩いて、ぐらつく梯子に結ばれた鎖を過ぎた頃、13:34ガスの中、九合目の岩峰が見えた。この岩峰の根元までの登りは途中 に鎖が1本あるだけだが、落差が大きく、細かなスタンスも必要とされる。13:53九合目(2790)を過ぎると登路が簡単になった。
 ガスの中北面を巻いて14:32~14:35甲斐駒東峰に出た(2965.6)。程なく北沢峠からの道が左手から合流して14:41~15:05甲斐 駒ヶ岳(2967)。上空だけ青空だが、後はみんなガスで苦笑する。私は、この尾根のやり方が気に入った。展望が見たくなったので、かみさんに電話して、 もう1回登らせてくれと言った。下り始めると、時折鳳凰三山が見え隠れした。九合目~八合目間は厳しいが二回目なので楽だった。16:04広場 (2690)を過ぎ程なく16:07八合目御来迎場(2670)、ガスが切れ黒戸尾根の上に七丈小屋が見える。下り始めると展望の話をしているのか下から 風に乗って楽しそうな声が聞こえて来た。16:50七丈第一小屋(2360)。小屋の隣の展望台で皆と一緒に鳳凰三山と富士がガスに見え隠れするのを見 た。それから、今日の情報を基にパッキングした。8~9合目がきつかったので、GPSとツエルトを外し0.6kg軽くした。山頂で御来迎が見れるよう出発 は03:00とした。女性が一人ついて行きたいと言ったが、8~9合目が危ないので断った。この日は20人位泊まった。夕食は18:00頃からで刺身に煮 物、揚げ物、果物と盛沢山だった。19:00過ぎに床に入り、ぐっすり寝た。22:00頃トイレに起きると地平線まで満天の星空だった。
9月12日
 03:20起床、寝過ごした。03:35七丈第一小屋(2360)、満天の星空に下弦の月だ。テント場を過ぎ樹林帯に入ると、星の光が遮られ怖くなっ た。妻と子の名を呼びながら登る。それでも怖いので、熊の真似をしながら歩くと怖くなくなった。標高2550m位から木々が低くなり天空が開ける。星の光 を浴びながら登るのは、なんともいえず気持ちよかった。04:20空が東の際から明るくなりはじめた。上の方は登路が広くなるが、昨日歩いているので迷わ ない。04:37八合目御来迎場(2670)。この先9合目までが難所で暗いうちに歩きたくないので、しばらく休む。もっと眺めのいい九合目の上でなく、 ここが御来迎場となっているのも同じ理由だと思う。南に鳳凰三山と富士が静かに立っている。大分明るくなり、小屋の人も登ってきたので出発する。昨日覚え たとおり、難所をマイペースでこなす。05:17九合目の剣のある岩(2750)を過ぎ少し登ると、05:24秩父の南から御来迎が出た。丁度、雲海の上 に剣の岩と鳳凰三山と富士が重なるところで、それが朝日を受け赤く染まる姿は、記紀神話を見るようで、頭がくらくらした。岩の上の剣は、富士と鳳凰の延長 線上にあり、先人の美意識に衝撃を受けた。歩くうち左手に北岳が姿を見せ、右手には八ヶ岳が雲の上に浮かび、その後に浅間が、南に煙をなびかせていた。そ の奥には遠く北アルプスが続いていた。仙丈が見えてくると05:57~06:27甲斐駒ヶ岳(2967)。誰もいないのを確認して「うおおお~」と歓喜の 声を上げた。祠で祈り、辺りを見回す。富士、鳳凰、八ヶ岳、秩父が静謐の空間の中、雲に浮かんでいる。見ているうちに「自分はなんでもやれる」という気持 ちになり、歩き出した。07:24八合目御来迎場(2670)、08:06~08:19七丈小屋(2360)、09:02~09:11五丈小屋 (2150)、09:50刀利天狗(2060)、10:13刃渡り(1960)。後は長いが安全な登路だ。11:07粥餅石分岐跡(1560)を過ぎ、 11:22鞍部で横手への道を分けると尾根が狭くなる(1470)。(記憶ではそうだが、地形図で見るとこの手前で分かれているようで不思議 だ。)12:18トラバースが終わり下り始める(950)。水音が近くなり、滝を見に行く観光客に声を掛けられるが、人と話すと御利益がなくなる気がして 無愛想にしてしまう。駒ヶ岳神社を過ぎ12:41尾白川渓谷駐車場(770)。東中学校の信号に降るとき、バックミラーに黒戸尾根が映った。赤くガスに包 まれたその姿は、山ではなく人間のように思えた。 20040915桃パパ 


1pict4811 1pict4830  左 9/11 09:00 1940m付近

 右 11:13七丈小屋へ向かう途中。橋が見え、小屋までもうひと山あるとわかる。







1pict4831 1pict4835 左 11:19七丈小屋前の登り。梯子や鎖は、写っているより長い。

右 11:34九合目へ。ガスの中、剣が見えた







1pict4849_2 1pict4857 左 14:50山頂

右 15:36九合目の上から見下ろす






1pict4891 1pict49451  左09/12 05:24ご来迎


 右 06:00山頂







Kaikomapict4981 1pict4982  左 06:22甲斐駒の美学

 右 06:22甲斐駒東尾根







1pict4992 1pict5004  左 06:46黒戸尾根

 右 06:55九合目を見下ろす







1pict5012 Kaikomap5  左 07:23八合目から秩父

             右 06:13雲に浮かぶ八ヶ岳





1p13 1p3  左 05:24ご来迎のパノラマ

                        右 06:20山頂からのパノラマ

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