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2004年8月 9日 (月)

2004年8月8日早月尾根~剱岳

1gps66   早月尾根は馬場島から一気に剱に突き上げる。「剱に行くならここ」と決めていた。

地元の人は日帰りすると聞いたので、真似した。8月7日は馬場島の家族の森に泊まった。剱を見ながら山菜と鮎の塩焼で一杯飲ると、満ち足りた気持ちになる 一方、日帰り出来そうもないその姿に闘志が湧いた。敷布団は薄く、なかなか寝付けなかった。星空に浮かぶ剱の影を見ながら、しばらくあぐらをかいたら、気 持ちが静まり、眠れた。
 02:40起床、03:18家族の森(730)、真っ暗な中緩く歩き03:26馬場島で山の神に手を合わせる(760)。丁度ヘッドランプの電池が切れ たので交換する。850m位まで急登だ。暗くて怖いので「ハイッ、ホイッ」と声を掛けながら行く。無理目の計画を遂行するため夜中に歩く自分を、我ながら ばかだと思う。それでも機械的に実行するのは、効率性とか安全性を越えた所にある、美学のようなものを感じているからだろう。
 850~920m位まで斜度の緩んだ歩きが続いた後、少し斜度が出る。地形図の登路より少し北を通り、04:01松尾平(1010)。暗くてわからな かったが、ナラのある気持ちいい休み場に、「標高1000m」という道標が置いてある。この道標は、以後2800mまで200m毎に出てくるが、不正確な ものも多く、カッコ内に推定標高を付けた。御影石のような材質で、権威ありそうに見え、その都度高度計を補正するなど悩まされた。
 松尾平からしばらく、なだらかに歩き、標高1050m位から急登になる。04:30~04:37この登りの途中で休憩すると、北側の白萩山方面が少し見 えた(1150)。この辺り杉とブナが多い。05:01 1200mの道標(1240)を過ぎる頃から明るくなり始め、05:09大窓方面が少し見えた。 この先1920.7mピーク付近までかなりの急登だ。ダイグラ尾根の休み場の峰前に似ているが、ダイグラ尾根と違うのは、少し斜度が緩いのと、水平距離も 稼いでいる所だ。ダイグラでは休み場の峰まで標高差は稼ぐが、その先の水平距離のアップダウンが長い。早月尾根はそういう消耗するようなアップダウンが少 ない点で、歩き易い。但し上部の岩稜はダイグラ尾根にない厳しさがある。ミヤマカラマツを見ながら見通しの効かない樹林帯の登りが続く。
 05:34~05:39 1400mの道標(1440)で振り返ると富山湾が見えた。05:53 1600mの道標(1540)の先から、しばらく正面 の展望が開ける。06:26 1800mの道標(1740)を過ぎ、06:44後方に馬場島から富山湾へと続く展望が広がる。家族の森センターも随分小さ く見えるけれど、日の出からの行動時間が短いせいか、歩いてきたという実感が湧かない。写真では道端に笹、下の方にダケカンバらしきものが見える。
 06:47標識石(1870)があり、1920.7mピークと思ってマークしている。実際の1920.7ピークは、06:54に通り過ぎているが、北面 を巻くためそれと気づかなかった(1900)。ただ斜度が緩んだので、昨日「1920.7mピークまできつい」と言われたのを思い出し、多分通過したと 思った。
 07:14 2000mの道標を過ぎ(2000)、07:25~07:34休憩(2040)。この付近だと思うが、石英が登路に散らばっている。 08:06 2224mピークで、青空に剱の展望が開ける。鞍部に下り、08:09~08:17早月小屋(2200)。気持ちの良い場所で先行した人が多 く休んでいた。水2Lを700円で買い、ダブルストックと不要なものを小屋に預け、上部の岩場に備えた。なお、09:00まで小屋に入らないと日帰りは難 しいと言われている。
 カラマツの尾根を2450mピークへ向かう。08:37右手奥に終わりかけのキヌガサソウ。08:45尾根から早月小屋を見下ろす。早月川の流れの先に 富山湾が広がる。南には室堂方面の稜線が緩やかに続く。08:52 2400mの道標(2400)を過ぎると斜度が緩み、水平距離を稼ぐ。青空に映える剱 を見ながら、再び2614ピークへと向かう。この登りではハイマツが目立った。09:38稜線に出た平坦地に2600mの道標(2560)。近くにミヤマ リンドウあり。シャリバテ気味で09:47~09:58少し先で休憩(2600)。白飯に加嶋屋の鮭茶漬と大鋸の油揚味噌漬だ。水がうまい。
 この先しばらくダケカンバが戻った後、ハイマツになり、それが終わると、標高2700m前後から、剱らしい岩場になる。10:51 2800mの道標 (2800)辺りからガスに入り、11:16ピークの北面を巻く鎖2本を皮切りに、鎖場が始まる。難しいところを一つ一つこなす。(岩場としては易しいと 思うが、自分には難しく感じられた。)いつの間にか獅子頭を巻いていた。この頃、早月小屋付近で抜かれた人とスライドすることが多かった。早く着いたけれ ど、山頂は既にガスの中と聞き、自分も諦めがついた。山頂に岩崎元郎氏が居たとも聞いた。11:38ガスの中、別山尾根分岐(2940)。岩の堆積を北に 歩いていくとお宮が見え、11:46~12:02剱岳(2998)。山頂の写真は消耗して老人のようだ。でもここからが正念場だ。
 下りに入っても、獅子頭から13:03~13:07 2800mの道標(2800)位まで鎖が多く、時間が掛かった。2700m付近の岩場でトウヤクリ ンドウ。なかなか標高が下がらない。標高差を考えペース配分しようとしても、13:53 2600mの道標(2560)などは不正確で、ペースを取りにく かった。14:24 2400mの道標(2400)を過ぎカラマツの尾根を下り14:51~14:58早月小屋(2200)。ダブルストックを回収し急な 下りに備える。ちなみに下りは15:00までに小屋を通過しないと日帰りは難しいと言われている。15:34 2000mの道標(2000)。15:52  1920.7ピーク付近は通過したのがわからなかった(1900)。時間は18:00まであと2時間だ。水平方向は進んでいるが、標高差は1200m位 残っている。焦るけれど、高度計と地形図と日没を考えながら、ペースを作っていく。いつもながら、ハードといわれるコースで大事なのは頭だと思う。足は怪 しくなってきたが、ダブルストックが助けてくれる。梶川尾根の経験が役立った。16:14 1800mの道標(1740)、16:45 1600mの道標 (1540)、16:57 1400mの道標(1440)、17:23 1200mの道標(1240)と、予測を繰り返しながら、足を出し続けた。
 17:56松尾平(1010)に着いてもまだ日が残っており、意外と明るかった。緩く下って行くと前方で叫び声がして、「誰か来て!」という声が聞こ え、同年配の女性がパニックになっていた。1800m位で抜かれた黒部の女性だ。旦那が松尾平から先に下りて、奥さんと間が開いた所に、左手の沢からクマ が上がってきたらしい。クマは逃げたが、近くにいる。ハッカ油を振りかけ、雨具を出して威嚇するよう話し、ストックを鳴らしながら、二人で下った。下りが 嫌になっていたので、いい刺激になった。18:30馬場島でかみさんを旦那に引き渡し(760)、電池を回収した。
 少し歩き振り返ると剱のガスが取れかけていた。改めて遠く見え、、今日あそこまで行って帰ってきたとは(信じられない)、と思い、頭を振りながら 18:40家族の森に戻った(730)。厨房の人に挨拶すると、「下りはつらかったろう。シャワーに入れちゃ入れちゃ。」と言われ、ただで使わせて貰っ た。人体実験のようだったが、早くなれるヒントを感じた。自分にとって重い、いい山行だった。  20040809桃パパ

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